
モノは大切に! Sonyハンディーカム HDR-HC1
2005年に購入したハイビジョンハンディーカム HDR-HC1、絶滅危惧種のminiDVテープに録画します。
最後に使用してから15年ほどドライケースに入れて静態保存してます。今でも使えるなら、撮鉄入門の機材にしたい。もちろん、手間は掛けてもお金は掛けられない。。。
▪️使用可能か機材チェック
現役復帰させるためには、以下の全ての条件をクリアする必要があります。
- カメラ自体が動くか?
ドライケースに入れ紫外線の当たらない場所に保管していたのでたぶん大丈夫そう - バッテリーが充電できるか?
最大の難関、15年ほど一度も充電してないので多分ダメそう
バッテリーは2個あるので、双方合わせてテープ1本 60分動いてほしい - 記録メディアmniDVテープが入手できるか?
数年前の身辺整理で色々捨てたので、ブランクテープが残っているか?
先日SonyがminiDVを含め各種メディアの生産を終了したので、入手困難になるのは時間の問題 - PCにキャプチャできるか?
IEEE1394 / i.LINK / FireWire経由でのPCキャプチャ
FireWire400/800端子付きの2005年モデル PowerMacG5でなんとかなるか? - ビデオ用三脚(リモコン付き)が動くか?
オイルダンパ付きなので、これが経年劣化でどうなっているか?
難関がたくさんありそうです。
0. 必要なものが全て揃うか?
- ビデオカメラ、バッテリー、ACアダプター、外部マイク
- miniDVテープ、ヘッドクリーニングテープ
- PowerMacG5、iLife ’09(キャプチャアプリiMovie)、FireWireケーブル(4P-6P)
- 三脚(LANCカメラリモコン付き)
必要なモノは全て揃いましたので、動作チェックを進めましょう。
1. カメラ自体が動くか?・・・OK
外観的に、プラスチック部品の劣化や金属部品のサビもありません。ドライボックスに入れて紫外線を避けて保存して正解でした。
ACアダプタを接続し起動したら、時計合わせの画面になりました。軽くチェックした感じ問題はなさそうなので作業を進めましょう。
2. バッテリーが充電できるか?・・・奇跡的にOK
標準品(付属)とオプション品の大容量バッテリーがあります。双方とも膨らむ等の外観上の問題はなし。念のため充電中に何か起きてもすぐに対処できるよう、目を離さずに充電します。
参照用として新品時の仕様を調べておきます。
タイプ | バッテリー型名 | 満充電時間 | 実撮影時間 |
標準品(付属) | NP-FM50 | 150分(約2.5時間) | 40分 |
オプション品 | NP-QM71D | 260分(約4.5時間) | 110分 |
(1)充電状態
- 標準品(付属) :NG
規定時間(2.5時間)ほど充電しましたが充電ランプが消えず。カメラにセットすると、数分後にバッテリー切れ表示で電源OFF。
再度充電ランプが消えるまで充電してみましたが状況は変わらず。
このバッテリーは戦力外とします。 - オプション品 :奇跡的になんかいい感じかも?
充電開始直後は全く反応ありませんでしたが、しばらく充電していくとバッテリー本体の充電ランプが点滅開始し「充電してます感」が出ています。
5時間ほど充電したら、バッテリー本体の充電ランプが消灯し、バッテリー本体の容量ランプは満充電の表示。
取説を読んだら、バッテリー状態をチェックするメニューがありました。この表示によると90%まで充電できている。
この状態で実際にどの程度動作可能か?確認に先立ち一晩放置してみましたが変化なし。

取説にあるバッテリーの保管方法をみると、
- 1年に1回程度満充電にする
- 充電後は使い切る
- 湿度の低い涼しい場所で保管
バッテリーが空の状態でドライボックスに保管していたのが良かったみたい。一般に充電しっぱなしや空っぽの状態で保管はダメで、半分くらいの容量で保管するのがいいと聞いてますが、このバッテリーは違うみたい。(ニッカドバッテリーのリフレッシュ充電のようだが、これはリチウム電池)
(2)実撮影時間
- オプション品 :テープ1本60分ギリギリの状態(新品容量の半分程度)
60分のテスト録画を行いました。
50分ほど経過後、バッテリー不足の警告表示が出ましたが、なんとか最後まで動きました。
15年放置したバッテリーにしては上出来。
バッテリ不足の警告が出てましたが、この画面で見るとまだ30%程度残っているように見えます。残容量を使いきれてないのか、計測系の誤差か?(ニッカドバッテリニーのメモリー効果のよう)
満充電〜完全放電を何度か繰り返してみて、容量回復に期待しましょう。
純正新品はもう手に入らず、セル交換も1万円以上、正体不明の中華製互換品は数千円台で手に入るが品質的に怪しい状況なので、この結果はほぼベスト。
上記の状態で使用を続け、バッテリー交換指示が出たので再び充電を開始し、3時間ほど経過した状態です。
棒グラフで10%、撮影可能時間で15分ほど伸び、バッテリー本体の充電サインは消えて満充電を示してます。
しかしカメラ本体の充電ランプは点灯したままなので、暫く充電を継続したところ、さらに4時間後カメラ本体の充電ランプは消えてました。ただし撮影化の時間は±3分程度変化しただけ。
翌日カメラの電源を入れると、日時設定するカメラ内部電池も消耗しているらしく、設定が飛んでしまいました。取説には「1ヶ月程度で内部電池は空になる、充電する場合は24時間程度電源に繋ぐ」と書いてあるのでこれを実施。もし改善しない場合、カメラ内部の電池交換は無理なので、撮影のたびに日時設定することで対処。(日時設定しなくでも録画映像には影響なし)
この状態から再びテープ1本 60分のテスト撮影してみました。
左の写真は60分撮影後の様子ですが、テスト1回目は最後の10分くらいバッテリー低下警告が表示され、残容量は30%でした。今回はバッテリー低下警告は出ず残容量は60%で、かなりバッテリーが回復した模様。
ここからスタンバイ状態を1時間くらい持続し、電源が切れた際のバッテリーインフォは、初回と変わらず30%。
3. 記録メディアmniDVテープが入手できるか?・・・OK

未使用のテープは1本も残ってないので、身辺整理の際に処分した模様。ただし上書きしていいテープが8本確保できたので当面OK。
ケーズデンキには”ビデオテープ”という商品がもう存在しないが、Amazonやヤフオク見たら出品されているので、暫くはなんとかなりそう。ご近所に最近中古屋が増えたのでパトロールしてきましたが、なぜかハードオフにVHS-Cの未使用テープが大量に在庫していた以外、miniDVテープを含めたビデオテープはどの店も扱いなし。
4. PCにキャプチャできるか?・・・予想外に苦戦したがOK
以下のセッティングでキャプチャに挑戦。
- PCはPowerMacG5を使用(FireWire400/800端子があり、ビデオカメラと同世代の現役PC)
- FireWire400にビデオカメラを接続(FireWireケーブルは、6P-6P、6P-4P及び4P-4Pを各1本だけ捨てずに保管)
- iMovieでキャプチャ(PPC版最後のiLife’09インストールメディアを保管)
- 作業開始前にコネクタを清掃し接触不良を防止
結果はNG、iMovieがインストールできません。なぜでしょう?
ダメ元でiMovieのインストーラPKGファイルを展開し、iMovieアプリ本体のファイルを抜き出し実行すると、起動時にQuickTime関係のエラーが出るが、キャプチャ画面が開きカメラを制御したり画像取り込みができている感じだが、なぜか取り込んだはずのファイルがどこにもない。(QuickTimeのコーデックがないのでファイル生成できない?)
正しくインストールできてないので、動かなくて当然。もう少し頑張ればなんとかなりそうだが、ここは一旦終了とします。
予想外の課題が発生しましたが、方針変更して以下のセッティングでキャプチャに再挑戦。
- 手持ちにApple純正のFireWire 9P -Thunderbolt変換アダプタがあるので、FireWire 4P-9Pのケーブル(2m、¥1,190)をヨドバシ.comに発注(少額の買い物でも送料無料は嬉しい!)
- Thunderbolt端子を持ったMac mini (Late 2014)にPCを変更しキャプチャに挑戦
- 2014のMacならiMovieはApple Storeから無料でダウンロードOK
- i.LINK(FireWire)ーThunderbolt変換でMac miniに繋げた方が、処理能力も高くHDD空き容量も10倍以上ある
アプリiMovieの使い方を知らないので、とりあえずキャプチャまで実施しました。この先のプロセスは追って考えましょう。
5. ビデオ用三脚(リモコン付き)が動くか?・・・OK
専用バッグに収納し押入れに大切に保管されてましたので、樹脂部分の劣化もなくダンパー機能もOKです。カメラリモコン(LANC)の動作も確認OK。(久しぶりに持ってみたら、結構重い)
6. 余談:メモリースティックDuo・・・OK
静止画記録用の外部メモリーはもちろんメモリースティック16MBですが、メモリースティックが読めるカードリーダはもう処分済みです。(注:GBではなくMB、容量の上限はPROデュオの2GBまで)
諦めていたところ、”Sony製”のVAIOの横っちょにスロットがついているのを発見!ちょっと面倒ですがこれでアクセス可能。
“Sony製”なので10年以上前のPCですが、時々Windows PCが必要になるので動態保存してます。
▪️まとめ
機材チェック結果
色々ありましたが総合評価はOK、撮鉄入門の動画撮影機材に使用可能と判断しました。掛かった費用はFireWireケーブル代¥1,190です。
最大の難関だったバッテリーは、15年放置したものとしては十分な状況と思います。さすがソニー製のリチウムバッテリー!(2017年に村田製作所に電池事業を譲渡)
今後の予定(1):miniDVテープの補充
記録メディアであるminiDVテープは、今のところAmazonなどの通販で入手できそうですが、普通の値段で買えるうちに補充しておいた方が良さそう。ヤフオクや個人売買は怪しいので最後の手段とします。

奇跡!某電気量販店にてにminiDVテープを売ってました。3本パックで税込¥825なので、Amazonの¥1,000より安い。なぜかオーディオカセットテープも相当数在庫してます。
今後仕入れが続くのか不明ですが、定期的にパトロールしたいと思います。
今後の予定(2):2台のカメラで撮鉄入門
スマホカメラはサブカメラとして固定し、ハンディーカムをメインに動画撮影し、2本の素材を編集して1本の作品に仕上げるなんてどうでしょう?これには編集のスキルを大幅に上げないといけない。撮鉄入門はそろそろ卒業し、新たにポストプロダクション入門も素敵!
今後の予定(3):録画済みminiDVテープのメディア変換
再生機器はこのハンディーカムしかないので、動いているうちに大量の撮影済みminiDVテープを別なメディアにコピーしないといけない。あれこれ調べてみたら、家にあるPanasonic製「HDD搭載ハイビジョンブルーレイディスクレコーダーDMR-BRT300 」にはi.LINK(TS)によるMPEG2入力があるが、ダビングできるのは標準画質のみ。多分ハイビジョン画質ではないD-VHSのダビング用途か?
かなり面倒ですが、PCにキャプチャ後、AVCHDやMP4に変換してPCメディアに保存するのが一番省スペース、ローコストでさらにサスティナブルな気がします。近い将来定年退職したら、お金はなくても暇はあるので、頑張ってメディア変換しましょう。
(おわり)